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by mandalabooks

岡本太郎が愛した韓国

a0057609_237781.jpg岡本太郎が愛した韓国
平井 敏晴 (著), 岡本 敏子 (著)

今みたいに韓国ブームでない頃、しかも国交樹立前に太朗は韓国へと旅立っていたという。
1回目は1964年、二回目は1977年。
18歳から日本を飛び出しパリに11年過ごした自由な芸術家が感じた韓国はどんなだっただろう。

彼は韓国に宇宙を感じていたのかもしれない。
爆発する芸術は、ビッグバンである。
生活に根付いた文化とシャーマニズム、仏教、儒教・・・。
韓国を体験し、韓国を通じて、ユーラシア大陸が、北方からの風が感じられたのだそうだ。

太郎が見たものを、この一冊を通じて目に出来る。
私はまるで時空を旅しているかのよう。

韓国人についての記述があり、そこにググっとひきこまれた。
「『ぐらぐらしているようですが、しかしわたしは変わらない』
どんなに体制が強くても、決して安易に順応しない、それでいて表情は意外にものびやか。
独特の楽天性で、絶望的な状況でも動じない。」

まるで柳のようだなと思った。柳のようなしなる独自性。そこに本当のIdentityが隠されているのだ。
表面的にとりつくろったうわべのIdentityではなく、芯の部分が本当のIdentityだ。

彼が興味を持った、長柱(チャンスン、天下大将軍や地下女将軍と書かれた木の柱)、石仏、仮面、舞の紹介を見ていて気づいたことがある。
あれ、これって太陽の塔につながっていかないか?と。

大阪人として何か嬉しい贈り物をもらったような気がしている、というと大げさであるが
まったく意味不明な万博公園の巨大なオブジェがいきなり意味をなしてきて、
大きな存在感が出てきたかのようだ。

宇宙と壮大に語るけれども、芸術は実は人々の暮らしに根付いた人々の生活や遊びから生まれるものであり、プラクティカルなものである。ミクロはマクロにつながるのと同じく、人々の生活から宇宙がかいま見えるのだろう。


第一部
・原風景の発見
・スナップ集
・「韓国発見」
・宇宙へのびるチャンスン
・「韓国再訪」

第二部
・周辺性の宇宙誌
・岩肌の神秘
・ペルソナの輝き
・大地に遊ぶ韓国
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by mandalabooks | 2010-12-18 23:56 |