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by mandalabooks

Tao 老子

Tao 老子 _a0057609_183946100.jpgTao 老子
加島 祥造 (著)

近所のマクロビカフェに置いてあったこの本。パラパラと読んでみては「おお!」「おお!!」の連続だった。それは、この本が説いている老子の教えが、ヨガ哲学に非常に似ていたためである。マクロビの思想は陰陽に基づく。道教のタオも陰陽に基づいている。ヨガは陰陽と力づくで発言してはいないが、太陽と月をベースに、左右、上下などを意識する。といっても、ヨガ的には(というかインド思想一般かな?)陰陽二極の間には中間が存在し、そのため常にトリグナ(3つのグナ)という考え方があるけどね。

全てはエネルギーだと老子言う。
ヨガも全ては振動するエネルギーであり、肉体を流れるエネルギー=プラーナが存在すると教えてくれる。
それを整えるのが、道教的には気功であったり太極拳だったりするが、インドではヨガなのだ。

陰陽、強弱、男女、善悪、光闇・・・などなど、対極の二つは常に世の中に存在し、私達を楽しませたり、苦しませたりしている。それらは無から生じて無に帰っていく。自身が無(虚)になれば、その二極を客観的に見ることが出来る。そして、二極があってこその人生なんだと、力がふっと抜けて楽になれるのだよ、と。

加島氏の訳は、英訳のTaoから日本語に訳されているそうだ。
しかも現代人にもとってもわかりやすく読みやすく理解しやすい言葉で書かれているので、すうっと入ってくる。
私のようなタオ初心者にはもってこいの一冊。

「上善如水」という有名な言葉がある。
上善水の如し、と日本語にもあるが、これやね。
水のように生きる、という意味。
以前、「流れる水は濁らない」という記事をどこかに書いたことがあった。
ダムのように故意に自然な流れをせき止めてしまえば、水は本来のライフフォースを失って濁っていき、死んだような水になってしまう。金と水は流しておかなければならないとはよく言ったもんである。
水のように清らかに流れるように生きたいなと言っていたわけで。
それを忘れた頃に「上善如水」ときたもんだ。
そう!そうなのよ!!
水は極めて柔軟で、か弱いけれども、岩をも砕く本当の強さがある。しかも、謙虚である。
水の如く理想的な生き方(上善)が、あなたをより良いあなたにしていくのだよ、と。

いろいろと目からウロコな本。
by mandalabooks | 2009-10-29 19:14 | 仏教、他宗教