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by mandalabooks

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いま、生きる力

a0057609_11122637.jpgいま、生きる力
岡本 敏子 (著)

岡本太郎のパートナーであった敏子のエッセイ。
一本気で真摯な人だな、という印象。
体当たりで太郎にぶつかって100%自分を出して、100%太郎を受け入れた感じがすっごく伝わってくる。
それはものすごく心身ともに疲労困憊することだったと思うが、
それによって養われた叡智や強さがあるのだろうか、
「痛み無くして得るものなし」を地で行く恋愛と人生を送った人なんだろう。
私も大いに共感した。
文字を追っているだけなのに、応援されている気がした。
ぶつかることを怖れない人生!

彼女は好きだということに正直だ。
だいたい長年連れ添っていれば、相手の悪口しか言わない人のほうが多い。
謙遜なのだろうが、なんだか変だ。
でも、そうしなければバランスが取れないなんて。
敏子は、「好きで好きでしょうがないから、なんでもしてあげたい。それだけのこと。」と
すぱんと言ってしまう。それが、正直で、傑作だ。
彼女はまた嫉妬心があまりなかったのだという。それはお得である。

恋愛は火だ。
その燃え方は人それぞれであるが、彼らアーティストの火はお互いを燃やし尽くし溶解してしまうほど高温であり、火本来の持つ本質むき出しの荒々しい炎のようだ。
火と火が交わり大きくなっていく炎、メラメラと空高く舞い上がっていく火の粉を抱えながら。

ほとんどは火傷したくないから、そんな炎は求めないだろう。
ほんのちょっと温まるぐらいの火の代替を求めている、それではすばやく冷めるのもうなずける気がする。

恋愛だけでない、人生においても人は火なのだ。
熱くなれる何かを求めているし、そうしたいのに、火傷するのは怖いのだ。

いま、生きる力になるもの、それは熱くなれる何かだろう。
真剣に今を生きることができれば、何も怖れることはないのだから。

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「いまはこの瞬間だけなのよ。先のことを心配したって仕様がない。終わってしまったことはもう無いのだ。・・・中略・・・いまに全存在をぶちこんでひらききって生きなければ。」

「認められなくていい、認めさせない、と決意してやれば何もこわいものはない。(太郎)」

「この青い空の下、地球のどこかではロケット弾が飛びかったり、瓦礫の山を素手で掘り返して、肉親の遺体を捜している人がいる。海もどんどん汚染されてゆくし、ジャングルも切り倒されて、絶滅していく種も多い。暢気な地球ではない。その痛みをかかえながら、でも空は青い。」

「人間であるっていうことはその痛みを感じることだ。そういう悩み、痛みを心の底に抱いて、その上で笑うんだ。(太郎)」

「眼は宇宙と通じるんだ(太郎)」

「調和も、みんな相手の様子を見て、互いに六分ぐらいのところで頭を下げあって、なれあうのが調和だと思っている。そんな調和は卑しい。フェアーに己を主張し、ぱんぱんとぶつかりあって、徹底的に闘って、その結果、お互いを認めあったところに成り立つ均衝なら許せるけれど、いま普通に考えられている調和なんて、ぼくは大反対だ。(太郎)」

「彼はいつでもマイナスにかけることを信条にしていた。絶対に危険だ。こっちに行ったら不利だ、と思う方を選ぶのだ、だから怖いものはない、と。」
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by mandalabooks | 2011-04-17 11:56 | その他