本を読む時間を大切にしています。


by mandalabooks

転生



転生
田口 ランディ (著), 篁 カノン (イラスト)

久々のランディ本だなと図書館で発見した。
ペラペラめくると絵がけっこうリアルなというか、コワイ人物の出てこない楳図かずお的な不気味さ(ただ、めっちゃ細かくて上手いのだが)。
それが文章とマッチしているな~と感心してしまう。
絵が先か、文が先か、考え出すとニワトリ卵論争みたいになるので考えないことにする。

読んでる途中に「火の鳥?(手塚治虫)」、読み終わっても「やっぱ火の鳥?」みたいな。
そんな手塚的な命がぐるんぐるん巡るという転生。
人、それも中絶された生から始まり、鳥になり、殺されてしまう犬になり、いろんなものに生まれ変わっていくんだけど、けっこうグロい描写で読んでたらお腹が痛くなる感じ。でも、実際そういうグロい事ってどこかで起こっている事実だということを知らしめるために書いているのかもしれない。
生まれ変わる時にいつも感じるのは磁力、磁力に吸い寄せられ、磁力を感じ、爆発し分裂し形になってきて、生まれてくる。
その磁力とは何だろう?って考えて、最後の最後でわかるんであるが、光ていうのは闇の中だからさらに光って見えるように、グロさの対比として最後にいい感じで終わってると思うけど、もう光を感じる余裕がないというか、何やろう?不条理??

読み終わりにスッキリしないのであるが、これはきっと作者の狙い通りなのかもしれない。
生死というのはきっと不条理で意味がないものなのかもしれないな。
最後のオチでえらく感動する人もいるみたいなので、不条理感覚はあくまでも個人的な意見としてさらっと捉えて頂きたい。

高校の頃の担任が仏大出のかなり仏教的な思想の人で「怒らない」人だった。
たまに輪廻的な事を諭すために生徒に「次生まれ変わったら犬かもしれません、鳥かもしれません、人間だとは限らないですよ。」なぞと言っていたのを思い出した。
ニューエイジ思想的には人間は常に人間にしか生まれ変わらなくて、動物は動物の死後の世界があって、犬はだいたいまた犬になるんだと聞いたことがある。
実際のところはどうかは死んでみないことにはわからないので、なんともいえないが、個人的には後者の方がしっくり来ている。

さてこの本、5分ぐらいでさらりと読める。
約50億年の地球から考えれば人の命の灯火も一瞬、宇宙からしたらたかだか5分ぐらいのものなのかもしれない。とさえ思えてきた。
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by mandalabooks | 2012-09-19 21:39 | その他